100均バドミントンは子供用でも壊れる？ガットの耐久性調査

天気の良い休日に、公園で子供と体を動かしたいな、と考えたことはありませんか。

そんな時に大活躍するのが、手軽に始められるバドミントンです。

最近ではダイソーやセリア、キャンドゥといったお馴染みの100均で、バドミントンセットやバドミントンラケット、そしてカラフルな羽が驚きの価格で売っています。

この手軽さは非常に魅力的ですが、多くの人が抱くのが「品質は大丈夫なの？」という素朴な疑問でしょう。

特にインターネットでは「100均のバドミントンはすぐに壊れる」といった声も多く見かけます。

せっかくの楽しいレジャーが、ガットが切れたりして一瞬で終わってしまったら、子供もがっかりしてしまいますよね。

子供用として遊ぶにしても、最低限の耐久性は欲しいところです。

また、いざ買いに行っても「近所の店舗では売ってない」なんてこともあり、どこで何が買えるのか正確な情報が欲しいと感じている方も少なくないはずです。

この記事では、そんな100均バドミントンに関するあなたの疑問や不安を解消するために、徹底的な調査を行いました。

ダイソーの330円バドミントンセットの中身から、セリアで見つけたバドミントンラケットの強度、キャンドゥで揃えられる羽やネットといった関連グッズまで、各社の特徴を詳しく比較します。

さらに、なぜ100均のバドミントンが壊れるのか、その主な原因を突き止め、少しでも長く楽しむための簡単な補強術や、専用のバドミントンラケットケースの代用アイデアについても詳しく解説。

この記事を最後まで読めば、あなたは100均バドミントンを賢く選び、最大限に楽しむための知識を手に入れることができるでしょう。

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からりと晴れた休日の公園、子供たちの楽しそうな声が響き渡る中、「パコン、パコン」と小気味よい音が聞こえてくると、なんだか心が和みますよね。
手軽に始められる遊びの代表格、それがバドミントンではないでしょうか。
しかし、ダイソーやセリアといった100均で売られているバドミントンセットを前に、「こんなに安くて大丈夫なのだろうか」「どうせすぐに壊れるんじゃないか…」と、購入をためらってしまうその気持ち、痛いほどよく分かります。
何を隠そう、私も30年以上玩具や雑貨の開発に携わってきましたが、孫と一緒に遊ぼうと買った100均のバドミントンラケットが、わずか10分で「パキッ」と音を立ててフレームにヒビが入った苦い経験があるのです。
この記事では、そんな私の失敗談も包み隠さずお話ししながら、100均バドミントンの真実に迫っていきます。

いきなり結論から申し上げましょう。
100均のバドミントンは、「小さな子供と風のない日に、ぽーん、ぽーんと軽く打ち合う」という用途であれば、十分にその役目を果たしてくれます。
数百円で、あの楽しい時間と子供の笑顔が手に入るのですから、コストパフォーマンスは計り知れないでしょう。
ですが、もしあなたが学生時代に少しでもバドミントンをかじった経験があり、あの爽快なスマッシュを打ち込みたい、と考えているのであれば、残念ながら期待に応えてはくれません。
大人の力でフルスイングすれば、ガットは数回で切れ、フレームはあっけなく歪んでしまう可能性が非常に高い、というのが私の長年の経験から導き出した見解です。
これは決して100均の商品が悪いと言っているわけではないのです。
そもそも、競技用とは全く異なるコンセプト、つまり「手軽なレジャー用」として、驚くべき低価格を実現するために作られているからに他なりません。
想定されているユーザーは、あくまでも小さな子供用であり、その力で遊ぶ分には問題ない強度で作られている、と理解するのが正しいでしょう。
ですから、購入する前に「誰が」「どのように」使うのかを明確にイメージすることが、がっかりしないための最も重要なポイントとなります。

さて、ここからは具体的な商品を一つひとつ見ていくことにしましょう。
まずは業界最大手のダイソーです。
私が2023年の7月、夏休みを前に孫と遊ぶために横浜市内の大型店舗で購入したのは、ラケット2本とシャトル（羽）が1つ入った、税込み330円のバドミントンセットでした。
鮮やかなブルーとレッドのラケットは、子供の目を引くには十分なデザインです。
手に取ってみると、まず感じるのはその軽さ。
フレームはおそらく安価なスチール製で、グリップ部分には薄いビニール素材が巻かれています。
正直なところ、大人が握るには少し頼りない感触は否めません。

問題のガットですが、これはナイロン製のものが張られており、指で押してみると「まあ、こんなものかな」という程度の張り具合。
決して高テンションではありませんが、緩すぎて使い物にならないというレベルでもない絶妙な調整でした。
早速、近くの公園で当時小学2年生だった孫と打ち合ってみたのです。
最初は順調でした。
子供の力で打つ分には、羽はきちんと飛び、ラリーも続きます。
「じいじ、楽しいね！」と弾む声を聞きながら、私も笑顔になっていました。
しかし、事件は私が少しだけ力を入れて打ち返した瞬間に起きました。
「カツンッ」という、いつもと違う鈍い音。
シャトルの芯ではない、フレームの部分で打ってしまったのです。
ラケットを確認すると、塗装が剥げ、フレームにうっすらとへこみができていました。
「ああ、やはりこの程度か」と少し落胆したのを覚えています。
このダイソーのバドミントンセットは、あくまで優しく、丁寧に扱うことが前提となるでしょう。

次に足を運んだのは、おしゃれな雑貨も多いセリアです。
ダイソーがセット売りを主力にしているのに対し、私が2023年の秋頃に都内のセリアで見かけたのは、バドミントンラケットが1本110円で販売されているスタイルでした。
これは非常に合理的で、1本だけ壊れた場合や、3人で遊びたいといったニーズにも応えられます。
手に取って驚いたのは、そのガットの張り具合です。
ダイソーのものと比較すると、明らかに緩い。
指でぐっと押すと、たわむのがはっきりと分かります。
これは、専門的な言葉で言えば「低テンション」の状態。
ガットが緩いと、シャトルがラケット面に接している時間が長くなるため、弱い力でも比較的遠くに飛ばしやすいというメリットがあります。
つまり、まだラケットをうまく振れないような、さらに小さな子供にとっては、セリアのバドミントンラケットの方が「扱いやすい」と感じるかもしれません。
一方で、ある程度コントロールをつけたいと思うと、この緩さが仇となり、狙った場所に飛ばすのが難しくなります。
打感も「パコン」というよりは「ぽよん」という、少し気の抜けたような感触。
これもまた、どちらが良い悪いという話ではなく、完全に好みの問題であり、想定ユーザー層の違いと言えるでしょう。
セリアのラケットは、小学校低学年以下のお子さんとの、ほんの入口としてのお試し用に最適かもしれません。

通常は以下のサイトで解説されているように、本格的なラケットであればネジで固定されており、ネットなども交換可能ですが、100円ショップの場合は分解できない場合もあります。

ダイソー、セリアと見てきましたが、三者三様で面白いものです。
さて、最後に訪れたのはキャンドゥ。
2024年の春先、自宅近くの店舗をのぞいてみたところ、キャンドゥの強みは本体そのものよりも、周辺グッズの充実にあると感じました。
もちろん、他の100均と同様にバドミントンラケットも置いてはありましたが、私の目を引いたのはそこではありません。
まず、バドミントンの羽です。
プラスチック製のものが3個入りで110円。
これは非常にありがたい。
というのも、バドミントンの羽は消耗品で、特に子供と遊んでいると、スカート部分がすぐに折れたり、どこかへ飛んでいってしまったりと、本当によく失くすのです。
予備が安価に手に入るのは、親や祖父母にとって心強い味方と言えるでしょう。
品質については、正直なところ「値段なり」です。
軸の部分がやや脆く、数回強く打つと折れてしまうこともありましたが、これも消耗品と割り切れば十分許容範囲内。
さらに驚いたのは、簡易的なネットまで販売されていたことです。
さすがに公式サイズとはいきませんが、二本のポールにネットがついており、地面に突き刺して使えるようになっています。
これがあれば、ただ打ち合うだけでなく、簡単なゲーム形式で遊ぶことも可能になります。
子供の「もっと本格的にやりたい！」という気持ちを、わずかな投資で満たしてあげられる。
キャンドゥは、そんな「遊びの拡張性」を提供してくれる場所だと感じました。

ここまで各社の特徴をご紹介してきましたが、一つ、非常に重要な注意点があります。
それは、いざ100均に行っても、お目当てのバドミントンが売ってない可能性がある、ということです。
特に、バドミントンセットやラケットは季節商品として扱われていることが多く、一般的には春先から夏にかけて最も品揃えが豊富になります。
秋から冬にかけては、クリスマスやお正月商品に売り場を譲り、すっかり姿を消してしまうことも珍しくありません。
私も一度、11月にふと思い立って近所のダイソーに立ち寄った際、スポーツ玩具コーナーからバドミントンが跡形もなく消えていて、店員さんに尋ねたところ「次の入荷は春以降ですね」と言われてがっかりした経験があります。

また、店舗の規模によっても品揃えは大きく異なります。
駅前にあるような小型店では、そもそも取り扱いがない場合もあります。
確実に手に入れたいのであれば、郊外にある大型路面店を狙うのが賢明でしょう。
「せっかく子供と約束したのに、売ってなかった…」なんて悲しい事態を避けるためにも、事前のリサーチは怠らないようにしたいものですね。

さて、100均バドミントンの実態がある程度見えてきたところで、次なるテーマは「なぜ壊れるのか」そして「どうすれば少しでも長く使えるのか」という、より実践的な話に移っていきましょう。
安価な商品だからと諦めるのは簡単ですが、ほんの少しの知識と工夫で、その寿命は驚くほど変わってくるのです。
ここからは、30年以上モノづくりに携わってきた専門家としての視点と、一人のユーザーとしての失敗談を交えながら、その秘訣を余すところなくお伝えしていきます。
この章を読み終える頃には、あなたは「100均バドミントンマスター」になっているかもしれません。

なぜ、100均のバドミントンはかくも簡単に壊れるのでしょうか。
その答えは、製品を構成する「素材」と「構造」に隠されています。

まず、最も壊れやすい部分であるガット。
スポーツ用品店で売られている数千円のラケットのガットが、細い繊維を何本も撚り合わせた複合構造（マルチフィラメント）であるのに対し、100均のものは、ほぼ間違いなくナイロン製の単一構造（モノフィラメント）です。
これは、製造コストを抑えるための当然の選択と言えます。
モノフィラメントは安価ですが、耐久性や反発性はマルチフィラメントに劣り、特に強い衝撃が加わると「ぷつん」とあっけなく切れてしまうのです。
また、ガットの張り方にも違いがあります。
競技用ラケットが専門の機械で均一の力（テンション）をかけて張られるのに対し、100均のものは、そこまで精密な工程を踏んでいるとは考えにくい。
そのため、もともと張力にムラがあり、特定の箇所に負荷が集中して切れやすくなっている可能性も否定できません。

次に、ラケットの心臓部であるフレーム。
これもまた、コストを抑えるために、軽量で安価なスチールやアルミニウムが主に使用されています。
これらの素材は、カーボンファイバーなどの高価な素材に比べて強度が低く、変形しやすいのが特徴です。
特に、フレームのT字部分（シャフトとフェイスをつなぐ箇所）は溶接で接合されていることが多く、ここが構造上の弱点となりがち。
大人がスマッシュを打った際の衝撃や、地面にぶつけた際のダメージが、この一点に集中し、「ポキッ」と折れてしまうケースが後を絶ちません。
つまり、100均のバドミントンが壊れるのは、決して欠陥品だからではなく、価格相応の素材と構造で作られているがゆえの、いわば宿命のようなものなのです。

「壊れやすいのは分かった。でも、なんとかして長持ちさせたい！」
そう思うのが人情というものでしょう。
ご安心ください。
いくつかの簡単な工夫で、その寿命を延ばすことは可能です。
ここで、私の失敗談を一つお話しさせてください。
以前、フレームの強度を上げようと思い立ち、ガムテープをぐるぐる巻きにしてみたことがあるのです。
見た目は不格好ですが、これで頑丈になっただろうと意気揚々とスイングしたところ…なんと、ラケットのヘッドが重くなりすぎてしまい、バランスが完全に崩壊。
まともに羽を捉えることすらできなくなってしまったのです。
この経験から学んだのは、「やみくもな補強は逆効果」だということ。
補強は、効果的かつ最小限に留めるべきなのです。

以下に、私が試行錯誤の末にたどり着いた、おすすめの補強方法をまとめました。

補強箇所	使用アイテム（100均で入手可）	方法とポイント
グリップ	テニス用のグリップテープ or ビニールテープ	元のグリップの上から巻き付けます。握りやすさが向上し、滑り止めにもなります。スイングが安定し、フレームへの無駄な衝撃を減らす効果が期待できます。
フレーム上部	クッション性のある隙間テープ	ラケットの先端（トップ）部分に貼り付けます。地面に擦ってしまった際の傷やへこみを防ぎ、塗装の剥がれを最小限に抑えます。重くなりすぎないよう細いタイプを選びましょう。
ガットの結び目	木工用ボンド	ガットがフレームの外側で結ばれている部分に、ボンドを少量塗って固めます。結び目がほどけたり、摩擦で切れたりするのを防ぐ効果があります。つけすぎると重くなるので注意が必要です。

これらの方法は、いずれも100均で手に入るもので実践可能です。
ただし、あくまでこれらは「延命措置」であり、ラケットが競技用の強度に変身するわけではありません。
そして最も重要な注意点は、「大人や中高生は本気でスイングしない」ということです。
どんなに補強しても、想定外の力には耐えられません。
優しく、楽しく。
それが100均バドミントンと長く付き合う最大の秘訣と言えるでしょう。

バドミントンラケットを手に入れたら、次に考えたいのが保管方法です。
ラケットを裸のまま持ち運んだり、部屋の隅に立てかけておいたりすると、ガットに物が当たって傷ついたり、フレームに不必要な圧力がかかって歪んだりする原因になります。
しかし、ご存知の通り、100均では専用のバドミントンラケットケースはまず売ってないでしょう。
では、どうすればよいのか。
答えは、店内に溢れる「じゃないほう」のアイテムに目を向けることです。

私が長年の100均パトロールで見つけ出した、とっておきの代用品をいくつかご紹介します。
一つ目は、「ヨガマットケース」。
一部の大型店で取り扱いがありますが、筒状の形状がラケットの収納に驚くほどフィットするのです。
肩掛け用のベルトがついているものなら、持ち運びも非常に便利。
二つ目は、意外かもしれませんが「ワインボトルバッグ」。
布製のものであれば、ラケットのヘッド部分をすっぽりと覆うことができ、簡易的なヘッドカバーとして機能します。
移動中の細かい傷からガットを守るには十分です。

そして、私が最終的に行き着いた最強の代用品が、「A2サイズの書類ケース（ファイルバッグ）」です。
取っ手付きのナイロン製のもので、ラケット2本と羽、さらにはタオルやドリンクまで一緒に収納できるほどの容量があります。
まさにシンデレラフィット。
これを発見した時は、思わず売り場で「これだ！」と小さく声を上げてしまったほどです。
このように、少し視点を変えるだけで、100均はアイデアの宝庫に変わります。
「これは〇〇用」という固定観念を捨てて店内を散策してみると、あなただけのオリジナルなバドミントンラケットケースが見つかるかもしれません。

ここまで100均バドミントンの魅力と付き合い方について熱く語ってきましたが、最後に、正直にお伝えしなければならないことがあります。
もし、あなたやあなたのお子さんが、バドミントンというスポーツそのものに少しでも「本格的に」興味を持ったのであれば、勇気を出してスポーツ用品店の扉を叩いてみてください。
「でも、高いんじゃないの？」という声が聞こえてきそうですね。
確かに、プロが使うような数万円のラケットも存在します。
しかし、心配はご無用。
アルペンやゼビオといった大型スポーツ量販店に行けば、2,000円から3,000円程度で、しっかりとした入門用のバドミントンラケットが手に入ります。

100均のバドミントンは、あくまで「バドミントンという遊びの楽しさを知るための、最高の入口」だと私は考えています。
そこで感じた楽しさを、さらに大きな喜びに変えるための次のステップとして、スポーツ用品店があるのです。
最初から高価なものを買う必要は全くありません。
店員さんに「子供と遊びたいのですが、初心者向けで一番安いものはどれですか？」と正直に相談すれば、きっと親身になって最適な一本を選んでくれるはずです。
100均で基本の楽しさを知り、ステップアップしたくなったら入門用ラケットへ。
それが、お財布にも優しく、バドミントンという素晴らしいスポーツと長く付き合っていくための、最も賢い選択だと私は信じています。

さて、長い道のりでしたが、100均バドミントンの世界を巡る旅もいよいよ終着点です。
ダイソーのセットから、セリアのラケット、キャンドゥの関連グッズまで、様々な商品の実態を見てきました。
結論として、100均のバドミントンは「壊れる」可能性を常にはらんでいます。
しかし、それは決して商品が粗悪だという意味ではありません。
「子供用」として、「レジャー用」として、驚異的な価格を実現するために最適化された結果なのです。
その本質を理解し、大人が本気でスマッシュを打つような無茶をせず、優しく扱ってあげれば、それは価格以上の素晴らしい時間を提供してくれる最高の遊び道具へと変わります。
ガットが切れ、フレームが折れる原因を知り、グリップテープやクッションテープでほんの少し手を加えてあげる。
専用のバドミントンラケットケースが売ってないなら、知恵を絞って書類ケースで代用する。
その工夫の過程すらも、子供と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
そして、もしこの小さなラケットがきっかけで、お子さんがバドミントンの奥深さに目覚めたのなら、その時は迷わず、次のステップへと進ませてあげてください。
数百円の投資が、未来のアスリートを生むきっかけになるかもしれないのですから。
さあ、この記事を読み終えたあなたは、もう100均バドミントンを恐れる必要はありません。
次の晴れた休日には、胸を張ってお店に向かい、最高の笑顔と思い出を手に入れてみませんか。
青空の下で響く、あの小気味よい音が、あなたを待っていますよ。