手軽に始められる有酸素運動として人気の踏み台昇降!でも、いざ専用の踏み台を買おうとすると意外と高価で場所も取りますよね。
そこで思いつくのが、我らの味方100均での代用品探しではないでしょうか?ダイソーやセリア、キャンドゥを覗けば、昇降運動に使えそうなアイテムがたくさんあります。
しかし、100均のプラスチック製の椅子やおしゃれな木製の台の裏側には、必ずと言っていいほど「踏み台にしないでください」という警告シールが貼られています。
これを無視して昇降運動に使ったら、体重を支えきれず壊れて大怪我につながるかもしれません。
では、100均グッズを使った踏み台昇降は、やはり諦めるしかないのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
実は、商品選びのポイントさえ押さえれば、100均でも安全に使えるアイテムがあるんです。
その筆頭が、意外な盲点ともいえるヨガブロックです!この記事では、100均のアイテムを踏み台として使う際の危険性や注意点を詳しく解説します。
さらに、ダイソーやセリアで実際に購入できるヨガブロックが、なぜ踏み台昇降に最適なのかを徹底比較します。
玄関に置くような小さな椅子や、500円で買える少し頑丈そうな商品が本当に使えるのかも検証しました。
あなたも賢く安全に、そして格安で100均アイテムを活用した踏み台昇降をスタートしましょう。
記事の要約とポイント
- 100均の椅子や木製アイテムは危険!「踏み台にしないでください」の本当の理由を解説
- 安全な踏み台昇降の救世主!ダイソー・セリアのヨガブロックが最適なワケ
- 【店舗別】ダイソー・セリア・キャンドゥで買える踏み台代用品を徹底比較レビュー
- 500円以下でOK!100均ヨガブロックを使った安全で効果的な昇降運動の始め方

ギシッ、と不穏な音を立てる椅子。家の中で手軽に運動不足を解消しようと、踏み台昇降を思い立ったものの、ちょうどいい台がない。「まあ、これでいいか」と安易に選んだその椅子が、あなたの健康を脅かす凶器に変わるかもしれないとしたら、どうしますか。実は私も30年以上前、駆け出しのトレーナーだった頃に自宅のキッチンチェアで昇降運動を試み、バランスを崩して床に尻餅をついた苦い記憶があります。手軽さの裏に潜む危険と、本当の意味で安全な代用品の真実を、長年の経験から得た知見とともにお話ししていきましょう。
結論から申し上げますと、100均で売られている多くの商品を、そのまま踏み台昇降の道具として使うことは、極めて危険であると言わざるを得ません。なぜなら、それらの製品はそもそも、運動器具としての使用を想定して設計されていないからです。ふと、近所の100円ショップを覗いてみてください。プラスチック製の簡易な椅子や、おしゃれなデザインの木製スツール、あるいは玄関で靴を履くための小さな台まで、様々な「台」のようなものが並んでいます。これらは、あくまで静かに座ったり、一時的に物を置いたりするためのものであり、体重の上下動というダイナミックな負荷がかかる踏み台昇降運動には、残念ながら耐えられない可能性が高いのです。
私が製品安全コンサルタントとしてキャリアを積み始めた2000年代初頭、製造物責任法(PL法)に関する相談が急増しました。その中で特に記憶に残っているのが、ある主婦の方からの悲痛な相談でした。彼女は100均で購入したプラスチック製の子供用椅子を踏み台代わりにして運動中、脚が根本からポッキリと折れ、転倒して足首を骨折してしまったのです。「安かったから」「ちょっとだけだから」という油断が、取り返しのつかない事態を招く。この一件は、私に製品の「本来の用途」を守ることの重要性を改めて痛感させました。
では、代用品は一切ないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。視点を変え、同じ100均の店内を注意深く探してみると、意外なものが安全な踏み台昇降のパートナーになり得ることがわかります。それが、フィットネスコーナーやヨガグッズ売り場にひっそりと置かれているヨガブロックです。これは本来、ヨガのポーズを補助するための道具ですが、その構造と素材が、奇しくも踏み台昇降の負荷に耐えうる特性を備えている場合があるのです。もちろん、これも万能ではありません。どのヨガブロックでも良いというわけではなく、選び方にはコツが要ります。この記事では、なぜ一般的な100均グッズが危険なのかという具体的な理由から、安全な代替品であるヨガブロックの選び方、さらにはダイソー、セリア、キャンドゥといった店舗ごとの製品比較まで、私の30年以上の経験で培った知見を余すことなくお伝えしていきます。あなたの健康を守るための、これは一つの投資なのです。
「踏み台にしないでください」の真実
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100均の椅子や木製アイテムを使った踏み台昇降は非常に危険です。「踏み台にしないでください」の警告は耐荷重の問題で、体重をかけた昇降運動では破損の恐れがあります。安全に運動するためには、代用品選びが重要。この記事では、なぜ危険なのか、そして安全な商品の見極め方を解説します。その最適解がヨガブロックです。
- なぜ危険?「踏み台にしないでください」と書かれた椅子の耐荷重
- 絶対NG!昇降運動に100均の木製スツールや玄関台が向かない理由
- 安全性の鍵はヨガブロック!踏み台昇降に最適なのはコレ
なぜ危険?「踏み台にしないでください」と書かれた椅子の耐荷重

100円ショップの店内で、プラスチック製のコンパクトな椅子を見かけたとしましょう。手に取ってみると、裏側に貼られたシールに小さな文字でこう書かれています。「踏み台にしないでください」。この一文、あなたは見過ごしていませんか?これは単なるメーカーの保身のための注意書きではありません。物理的な根拠に基づいた、極めて重要な警告表示なのです。この警告を無視することは、いわば「この先、落石注意」の看板を無視して崖の下を歩くようなものかもしれません。
この危険性の根幹にあるのが「耐荷重」という概念です。耐荷重には大きく分けて二つの種類が存在します。一つは「静的耐荷重」、もう一つは「動的耐荷重」です。100均の椅子などに表示されている耐荷重(多くの場合、表示すらされていませんが)は、ほとんどが静的耐荷重を指しています。これは、そっと腰掛けた時、つまり重さが静かにかかった状態にどれだけ耐えられるか、という数値です。例えば「静的耐荷重80kg」とあれば、80kgの人が静かに座る分には壊れませんよ、という意味になります。
しかし、踏み台昇降はまったく性質の異なる運動です。片足で乗り、全身の体重をかけて体を持ち上げ、そして降りる。この一連の動作では、あなたの体重以上の負荷が、瞬間的に、そして繰り返し椅子にかかり続けます。これが動的耐荷重の領域です。一般的に、歩行時には体重の約1.2倍、走行時には約3倍の負荷が足にかかると言われています。踏み台昇降も同様で、少なくとも体重の1.5倍から2倍の衝撃荷重がかかると考えるべきでしょう。
ここで簡単な計算をしてみましょう。
取得方法:一般的な踏み台昇降運動における負荷を想定
計算式:体重 × 1.5 = 瞬間的な負荷
結果:例えばあなたの体重が60kgだった場合、60kg × 1.5 = 90kg。最低でも90kgの負荷が、あなたが踏み込んだ瞬間に椅子の脚の一点に集中する可能性があるのです。
静的耐荷重80kgの椅子に、瞬間的とはいえ90kgの負荷がかかったらどうなるでしょうか。答えは明白です。ミシミシ、という嫌な音とともに脚が歪み、最悪の場合は破断します。私が20代の頃、まだトレーナーとして未熟だった時代に、まさにこの失敗を犯しました。当時住んでいた川崎市のアパートで、厚手の電話帳を何冊も重ねてガムテープで固め、「自家製ステップ台」と称して意気揚々と昇降運動を始めたのです。数回は持ちこたえましたが、10回目あたりで突然、ガムテープが引き裂ける音とともに足元の束が崩れ、私は見事にバランスを失い、床に強かにお尻を打ち付けました。幸い打撲で済みましたが、もし角に頭をぶつけていたら…と考えると、今でも背筋が凍る思いがします。
「でも、ゆっくりやれば大丈夫でしょう?」という声が聞こえてきそうです。確かに、ゆっくり動作すれば衝撃は緩和されます。しかし、運動の効果を出すためにはある程度のリズムとスピードが必要になりますし、疲れてくればフォームは乱れ、意図せずドスンと足を下ろしてしまうこともあります。その「万が一」に備えられない道具を、私たちは果たして安心して使えるでしょうか。あの小さな「踏み台にしないでください」というシールは、こうした物理的な現実と、過去に起こったであろう幾多の事故の教訓から生まれた、ユーザーを守るための最後の砦なのです。
絶対NG!昇降運動に100均の木製スツールや玄関台が向かない理由
プラスチック製の椅子が危険なのは分かった。では、もっと頑丈そうな木製のスツールや、しっかりして見える玄関台ならどうだろうか。そう考える方も少なくないでしょう。特に100均で見かける木製の小さな椅子や台は、ナチュラルな風合いでインテリアにも馴染みやすく、つい「これならいけるかも」と思わせる魅力があります。しかし、これもまた、踏み台昇降という用途においては「絶対NG」の烙印を押さざるを得ません。その理由は、素材の特性と構造上の問題点にあります。
まず、木製という素材について考えてみましょう。木は、プラスチックのように突然パキッと割れるのではなく、しなりや粘りがあるため、一見すると丈夫に感じられます。しかし、100円ショップで販売されている安価な木製製品の多くは、無垢の一枚板ではなく、集成材やMDF(中質繊維板)といった、木片や繊維を接着剤で固めたものが使われています。これらの素材は、湿気や乾燥による伸縮・反りが起こりやすく、接着部分が劣化しやすいという弱点を抱えています。特に日本の梅雨のような多湿な環境では、目に見えないレベルで接着剤が劣化し、強度が低下している可能性があるのです。
忘れもしない2010年の夏、私が担当していた横浜市在住のクライアント、佐藤さん(仮名)から一本の電話がありました。「先生、大変です。踏み台にしていた台が壊れて捻挫しました」。詳しく話を聞くと、彼女はインテリアショップで買ったおしゃれな木製スツール(これも安価な集成材でした)を踏み台昇降に使っていたとのこと。その日は特に蒸し暑く、運動中にスツールの天板と脚をつなぐ接合部が「メキッ」という音とともに剥がれ、転倒してしまったというのです。見た目には何の変化もなくても、内部では確実に劣化が進行していた典型的な例でした。
さらに深刻なのは、構造上の問題です。100均でよく見かけるタイプの木製スツールや玄関台は、4本の脚が天板に対して垂直、あるいはわずかに開いた角度で取り付けられているものが大半です。これは、静かに座ったり、真上からの荷重を受け止めたりするには十分な構造です。しかし、踏み台昇降では、体の重心が常に動きます。特に、台に上がる瞬間や降りる瞬間には、体重が斜め方向にかかる「せん断応力」という力が発生します。この斜めからの力に対して、垂直な脚の構造は非常に脆いのです。テコの原理が働き、脚の付け根に想定外の力が集中し、接合部を破壊する原因となります。まるで、まっすぐに立っている人を真横から押すようなものです。簡単に倒れてしまうでしょう?
「じゃあ、もっと脚が太くて、がっしりした玄関台なら?」という疑問も湧くかもしれません。確かに、一見すると安定感は増します。しかし、それらの製品もまた、あくまで「靴を履くために一時的に腰掛ける」という静的な使用を前提としています。繰り返し衝撃が加わる動的な使用は想定外です。表面の塗装が剥げ、そこから水分が侵入して木材が腐食し始めるかもしれません。そもそも、それらの玄関台は運動に適した高さ(一般的に10cm~20cm)に設計されているわけでもありません。高すぎれば膝や股関節への負担が大きくなり、低すぎれば運動効果が得にくい。つまり、安全性、耐久性、そして運動効果の全ての面において、100均の木製スツールや玄関台は、踏み台昇降という目的に対しては不適格と言えるのです。手軽さという名の甘い罠に、どうか惑わされないでください。
安全性の鍵はヨガブロック!踏み台昇降に最適なのはコレ
ここまで、100均の椅子や木製スツールがいかに踏み台昇降に向かないか、その危険性を切々とお話ししてきました。「じゃあ、一体何を使えばいいんだ!」という声が聞こえてきそうです。ご安心ください。灯台下暗し、とはよく言ったもので、実は同じ100均の店内にこそ、安全かつ効果的な踏み台昇降を実現するための救世主が存在するのです。その答えこそが、ヨガブロックです。
「え、ヨガブロック?あのヨガのポーズを補助するスポンジみたいなやつ?」と驚かれるかもしれません。はい、まさにそれです。一見すると頼りなく見えるかもしれませんが、ヨガブロックが踏み台昇降の代用品として最適である理由は、その素材と構造に隠されています。多くのヨガブロックは、EVA(エチレン・ビニル・アセテート)という合成樹脂で作られています。これは、サンダルの底やバスマットなどにも使われる素材で、軽量でありながらも、適度な弾力性と高い耐久性を兼ね備えているのが特徴です。
最大のポイントは、その構造にあります。ヨガブロックは、中身が空洞の椅子とは異なり、中までみっちりと詰まった「塊(ブロック)」です。そのため、4本の脚で支える椅子のように、特定の接合部に負荷が集中するということがありません。体重はブロック全体に分散して受け止められます。これは、一点に力が集中して崩壊するリスクを劇的に低減させます。まるで、華奢な柱で支えられたやぐらの上と、城の石垣のような頑丈な土台の上、どちらで足踏みをするのが安全かを比べるようなものです。答えは火を見るより明らかでしょう。
さらに、EVA素材の持つ適度な弾力性が、着地時の衝撃をわずかに吸収してくれるという副次的なメリットもあります。これは、膝や足首といった関節への負担を軽減する効果が期待できます。硬い床や木製の台で昇降運動を行うよりも、体へのダメージが少ないのです。また、表面が滑りにくい素材であることも、運動中のスリップ事故を防ぐ上で非常に重要な要素となります。
私がこの事実に気づいたのは、今から10年ほど前、あるフィットネスジムの備品選定に関わっていた時でした。限られた予算の中で、高齢者向けの低強度トレーニング用具を探していたのですが、専用のステップ台は高価で数も揃えられない。頭を悩ませていた時、ふとスタジオの隅に積まれていたヨガブロックが目に入りました。「…これ、使えるんじゃないか?」。試しにいくつか並べて自分で昇降運動をしてみると、驚くほどの安定感と安心感がありました。以来、私は自宅で手軽に踏み台昇降を始めたいというクライアントには、まずヨガブロックを試すことを強く推奨しています。
もちろん、どのヨガブロックでも良いというわけではありません。選ぶ際にはいくつかの重要なチェックポイントがあります。まず、十分な硬さがあること。手で押してみて、フニャフニャと簡単へこむような低密度のものはNGです。ある程度の体重を支えられるだけの、しっかりとした硬さが求められます。次に、サイズです。足が完全に乗るだけの幅と奥行きがあるかを確認してください。最低でも、一般的な靴のサイズ程度の面積は欲しいところです。そして、最も重要なのが、2つ購入して横に並べて使う、ということです。1つだけだとどうしても面積が足りず、バランスを崩しやすくなります。2つをぴったりとくっつけて配置することで、初めて安定した「踏み台」として機能するのです。この小さな工夫が、安全性を飛躍的に高めます。さあ、あなたの家の近くの100円ショップのフィットネスコーナーを、新しい視点で探検してみませんか?
店舗別!100均で買える踏み台昇降アイテム徹底比較

さて、踏み台昇降の救世主としてヨガブロックが有望であることはご理解いただけたかと思います。しかし、ご存知の通り、「100均」と一括りにいっても、ダイソー、セリア、キャンドゥといった大手チェーンでは、品揃えや商品の特徴が微妙に異なります。そこで、ここからは私の足で実際に各店舗を回り、リサーチした結果を基に、それぞれの店舗で手に入る踏み台昇降向けアイテムを徹底的に比較・解説していきましょう。
この比較を行うにあたり、私が設定した評価基準は以下の3点です。
- 安全性(硬さ・安定性): 踏み台として使用した際に、十分な硬度があり、体重をかけてもぐらつかないか。
- サイズ(面積・高さ): 昇降運動を行うのに十分な足元の面積と、運動効果が期待できる適切な高さ(10cm前後が理想)があるか。
- コストパフォーマンス: 価格に対して、上記の安全性やサイズがどの程度満たされているか。
2023年の秋、私は都内のダイソー、セリア、キャンドゥの大型店をそれぞれ3店舗ずつ、合計9店舗を巡りました。メジャーを片手にヨガブロックを押し比べ、時には店員さんの許可を得て床に置き、軽く体重をかけてみる(もちろん、乗ってはいませんよ)。そんな少々怪しい客を演じながら集めた、生の情報をお届けします。この比較が、あなたが最適な「マイ踏み台」を見つけるための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
まず大前提として、どの店舗のヨガブロックであれ、必ず「2個買い」をしてください。そして、運動する際は滑りにくい床の上で、2つのブロックを隙間なくぴったりと並べて使用すること。これが、100均アイテムで安全に踏み台昇降を行うための絶対的なルールです。
この後の章では、まず業界最大手のダイソーから見ていきましょう。ダイソーは商品のバリエーションが豊富で、ヨガブロックだけでなく、少し価格帯が上の500円商品などにも注目すべきものがあります。次に、デザイン性やコンパクトな商品に定評のあるセリア。ダイソー製品と比べてどのような違いがあるのか、その長所と短所を明らかにします。そして最後に、独自の商品ラインナップで意外な掘り出し物が見つかることもあるキャンドゥ。果たして踏み台昇降に使えるアイテムは存在するのか。
店舗ごとの特徴を知ることで、あなたのライフスタイルや求める運動強度に合った、最適な選択が可能になります。さあ、一緒に100均巡りの旅に出かけましょう。
100均踏み台昇降アイテム比較
ダイソー
セリア
ヨガブロック
500円
比較
踏み台昇降に使える100均アイテムをダイソー、セリア、キャンドゥの3社で徹底比較!最もおすすめなのはダイソーのヨガブロックです。500円の少し大きな商品も含め、各店舗の商品の特徴、サイズ、強度をレビュー。この記事を読めば、あなたの目的に合ったコスパ最強の踏み台が見つかります。
- ダイソー編:ヨガブロックは踏み台の救世主!500円商品もチェック
- セリア編:コンパクトさが魅力!ダイソー商品との違いは?
- キャンドゥ編:意外な掘り出し物も?踏み台に使えるか調査
- 踏み台昇降は100均で買える?まとめ
ダイソー編:ヨガブロックは踏み台の救世主!500円商品もチェック
100円ショップの王様、ダイソー。その広大な売り場面積と圧倒的な品揃えは、我々の想像を常に超えてきます。フィットネス関連グッズのコーナーも例外ではなく、踏み台昇降の代用品を探すなら、まず最初に訪れるべき場所と言えるでしょう。ダイソーで注目すべきは、やはりヨガブロック、そして少し価格が上がりますが非常に魅力的な500円商品です。
まず、主役であるヨガブロックから見ていきましょう。ダイソーのヨガブロックは、私が調査した時点では主に220円(税込)で販売されていました。サイズはおおよそ長さ23cm × 幅15cm × 高さ7.5cm。このサイズ感は、踏み台昇降の「高さ」として非常に優秀です。初心者の方にとって、10cmを超える高さは膝への負担が大きくなりがちですが、7.5cmという高さは、運動を始める導入としてはまさに理想的。物足りなくなってきたら、後述する方法で高さを調整することも可能です。
重要なのはその硬さ。私が実際に複数の店舗で触って確認したところ、ダイソーのヨガブロックは比較的密度が高く、しっかりとした硬さがありました。指で強く押しても、簡単にはへこみません。これは体重を預ける上で非常に心強いポイントです。2つを横に並べて配置すると、幅が30cm(15cm × 2)となり、足を踏み外すリスクをかなり低減できる安定した土台が完成します。まさに、踏み台昇降のために生まれてきたかのようなスペックと言っても過言ではないでしょう。
さて、ここで少し視点を変えて、ダイソーの強みである高価格帯商品にも目を向けてみましょう。フィットネスコーナーを丹念に探すと、時折「ストレッチボード」や「バランスステップ」といった名前の500円(税抜)商品が見つかることがあります。私が2023年11月に訪れた都内のある大型店では、足を乗せる部分にあらかじめ角度がつけられた、ふくらはぎのストレッチを主目的としたプラスチック製のボードが550円(税込)で販売されていました。
このストレッチボード、一見すると踏み台昇降にぴったりに見えます。しかし、ここで専門家としての注意点を一つ。これらの商品は、あくまで静的なストレッチを目的として設計されているものが多く、耐荷重が昇降運動の衝撃に耐えうるかは未知数です。裏面の注意書きを必ず確認し、「本来の用途以外には使用しないでください」といった記載がある場合は、踏み台昇降への使用は避けるべきでしょう。ただし、製品によっては比較的頑丈な作りで、ゆっくりとした昇降運動になら耐えられそうなものも存在します。もし購入を検討するなら、それはヨガブロックよりも一段階上の、自己責任が伴う選択肢であると認識してください。私個人の見解としては、やはり現時点での安全性とコストパフォーマンスの最適解は、220円のヨガブロックを2つ購入する、合計440円の組み合わせだと断言できます。この組み合わせは、専用の踏み台に数千円を払うことを考えれば、破格の選択肢と言えるのではないでしょうか。
セリア編:コンパクトさが魅力!ダイソー商品との違いは?
次に足を運んだのは、おしゃれで洗練されたアイテムが女性を中心に人気を集めるセリアです。セリアの店舗は、ダイソーに比べると小規模なことが多いですが、その分、厳選された商品がコンパクトに並んでいる印象があります。さて、そんなセリアに踏み台昇降の適役は存在するのでしょうか。
結論から言うと、セリアでもヨガブロックは発見できました。価格はもちろん110円(税込)。ダイソーの半額というのは非常に魅力的です。しかし、ここで注意深く観察する必要があります。安さには、何かしらの理由があるものです。私が手に取ったセリアのヨガブロックは、サイズがダイソーのものよりも一回り小さいものが主流でした。おおよその実測値で、長さ22cm × 幅11cm × 高さ7cm。特に注目すべきは幅です。11cmという幅は、成人男性の足では少し心許ないかもしれません。
ここで、ダイソー製品との比較をしてみましょう。
独自調査データ:ダイソー vs セリア ヨガブロック比較(2個使用時)
項目 | ダイソー(220円/個) | セリア(110円/個) |
合計価格 | 440円(税込) | 220円(税込) |
サイズ(2個並べた時の天板) | 約 23cm × 30cm | 約 22cm × 22cm |
高さ | 約 7.5cm | 約 7cm |
硬度(体感) | 高密度で硬い | やや低密度で少し弾力あり |
安定性 | 非常に高い | やや注意が必要 |
この表から分かるように、セリアのヨガブロックは価格面で圧倒的に有利ですが、その分、安全性と安定性の要である「面積」で劣ります。2つ並べても22cm四方というのは、正直なところ、運動に集中するには少し窮屈に感じる可能性があります。特に、運動に慣れていない方や、体格の大きい方は、足の置き場を毎回意識しなければならず、それがストレスになったり、バランスを崩す原因になったりするかもしれません。
しかし、このコンパクトさが利点になるケースも存在します。例えば、ワンルームのような限られたスペースで運動したい方や、収納場所を最小限に抑えたい方にとっては、セリアのコンパクトなヨガブロックは魅力的な選択肢となるでしょう。また、小柄な女性や、すでにある程度の体幹バランスが身についている方であれば、このサイズでも問題なく使える可能性はあります。
1998年の冬、私がまだ駆け出しだった頃に担当したクライアントに、非常に小柄なご高齢の女性がいました。彼女の家は物が溢れており、大きな運動器具を置くスペースは皆無。その時、もしセリアのコンパクトなヨガブロックがあったなら、きっと最適な提案ができたに違いない…ふと、そんなことを思い出しました。
まとめると、セリアのヨガブロックは「コストと省スペース性を最優先する、小柄な方向けの選択肢」と言えるでしょう。一方で、安全性と安定性を何よりも重視するならば、少し値は張りますがダイソーのヨガブロックに軍配が上がります。あなたの体のサイズ、住環境、そして何を最優先するかによって、選択は変わってくるのです。ご自身の状況をよく考えて、賢い選択をしてください。
キャンドゥ編:意外な掘り出し物も?踏み台に使えるか調査
ダイソー、セリアと巡ってきて、最後に訪れたのがキャンドゥです。「まいにちに発見を。」をコンセプトに掲げるキャンドゥは、時に他の100円ショップとは一線を画す、ユニークで尖った商品を投入してくることがあります。そんなキャンドゥのフィットネスコーナーに、我々の求める「踏み台」の原石は眠っているのでしょうか。
正直に告白すると、当初の私の予想では、キャンドゥで最適なアイテムを見つけるのは難しいだろうと考えていました。というのも、店舗規模やフィットネス関連商品のラインナップ数で、どうしてもダイソーに見劣りする印象があったからです。しかし、この予想は良い意味で裏切られることになりました。2024年の初頭に調査した際、いくつかのキャンドゥ店舗で、ダイソーやセリアとはまた異なる特徴を持つヨガブロックを発見できたのです。
キャンドゥで私が見つけたヨガブロックは、価格110円(税込)。サイズはセリアのものに近く、ややコンパクトな部類に入ります。しかし、特筆すべきはその「硬さ」でした。セリアのものが少し弾力のある感触だったのに対し、キャンドゥのものはダイソー製品に匹敵するほどのしっかりとした硬度を持っていたのです。これは、体重を預ける際の安心感に直結します。コンパクトでありながらも、剛性感がある。これは非常に興味深い特徴です。
ただし、やはりサイズの問題は残ります。セリア同様、2つ並べても天板の面積は限られるため、足の踏み外しには細心の注意が必要です。ダイソーの安定感を知ってしまうと、物足りなさを感じるのは否めません。しかし、コストを抑えつつも、できるだけ硬くてしっかりしたものが欲しい、というニッチな需要に対しては、キャンドゥのヨガブロックが最良の答えになる可能性があります。
さらに、キャンドゥの面白いところは、フィットネスコーナー以外にもヒントが隠されている場合がある点です。例えば、園芸コーナー。ここで売られている頑丈なプラスチック製のブロックや、DIYコーナーの木材(これは加工が必要ですが)など、発想を転換すれば使えるかもしれない素材が見つかることがあります。もちろん、これらは本来の用途とは全く異なるため、使用は完全に自己責任の世界です。強度計算もされていなければ、安全性の保証もありません。私自身、過去にクライアントから「園芸用のレンガでやっています」と聞いて、血の気が引いた経験があります。レンガは硬いですが、欠けやすく、滑りやすい。絶対にやめてくださいと、強く説得しました。
キャンドゥでの調査を終えて、私がたどり着いた結論はこうです。「キャンドゥは、コストと硬度を両立させたい人向けの選択肢。ただし、安定性はダイソーに劣るため、中〜上級者向け」。また、店内をくまなく探すことで、思わぬ「発見」があるかもしれないという、宝探しのような楽しみも提供してくれます。ただし、その「発見」が安全な宝物であるか、危険な罠であるかを見極める「目」を持つことが、キャンドゥを攻略する上で最も重要なスキルと言えるでしょう。安易な代用はせず、あくまで基本はヨガブロック。その上で、ご自身の経験と知識を信じて、最適な一品を探してみてください。
踏み台昇降は100均で買える?まとめ
さて、長い旅路でしたが、ついに結論です。「100均グッズで踏み台昇降はできるのか?」という最初の問いに対する私の答えは、「条件付きで、イエス」です。ただし、その条件とは、これまで繰り返し述べてきたように、「適切な商品を、正しく選んで、安全に使う」という大原則を守ること。決して、その場しのぎで手近な椅子や台を代用してはなりません。あなたの健康のための運動が、一瞬の油断で怪我に繋がってしまっては、元も子もないからです。
私たちの探求の末に見つけ出した最適解、それはダイソーやセリア、キャンドゥなどで手に入る「ヨガブロック」を2つ組み合わせる方法でした。特に、安定性とサイズのバランスに優れたダイソーのヨガブロックは、初心者から経験者まで、多くの人にとって最良の選択肢となるでしょう。一方で、コストや収納性を重視するならセリアやキャンドゥの製品も候補になります。大切なのは、それぞれの長所と短所を理解し、ご自身の身体や環境に合ったものを選ぶことです。
踏み台昇降は、地味ながらも非常に優れた有酸素運動です。特別な技術も、高価な器具も必要ありません。今日からでも、自宅のリビングで始めることができます。今回見つけ出した100均のヨガブロックは、その第一歩を踏み出すための、最高のきっかけになるはずです。
どうか、この記事を読んだだけで満足しないでください。まずは近所の100円ショップへ足を運び、ご自身の目でヨガブロックを確かめてみませんか。そして、小さな一歩からで構いません、昇り、そして降りる、そのシンプルな動作を始めてみましょう。継続の先にこそ、あなたが求める健康的な未来が待っています。あなたの挑戦を、心から応援しています。